【活動報告】豊島区議会各会派への次年度予算要望書の提出について 

 豊島区鍼灸師会の会員の皆様、そして地域の皆様、日頃より当会の活動に温かいご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。 

当会は、地域住民の皆様の健康維持、疾病予防、そして誰もが暮らしやすい社会の実現を目指し、区政に対する働きかけを積極的に行っております。このたび、来年度の豊島区予算編成に向け、区民の皆様の健康と福祉を支えるための具体的な要望書をまとめ、豊島区議会の主要な会派へ提出いたしました。 

本日、都民ファースト議員団および公明党議員団の皆様へ要望書を直接提出し、地域医療や介護、子育て支援における鍼灸施術所の役割について意見交換を行いました。また、自由民主党議員団の皆様へは、同様の要望書を郵送にて送付いたしました。 

以下に、今回の要望書で掲げた主要な要望事項とその社会的意義についてご報告いたします。 

〇 身体機能を支える助成制度の適正化 

障害や難病を抱える方々の身体機能維持や生活の質向上を支える豊島区機能回復券制度は、対象者が地域で健やかに暮らすための重要な福祉施策です。 

しかし、近年のエネルギー費用高騰や各種資材、衛生用品の価格上昇、さらには消費税率引き上げなど、施術所を取り巻く環境は厳しさを増しております。それにもかかわらず、本制度における支給額は長期間にわたり見直されておらず、過去の水準から引き下げられた状態が継続しております。 

そこで当会は、現在の物価状況に適合した適正な水準へと助成額を引き上げていただくよう、強く要望いたしました。この改定による区の追加的な財政負担は極めて限定的であり、比較的小規模な予算措置で対象者の皆様へ大きな安心感を提供し、福祉制度の充実を図ることができます。 

〇 施術所の経営基盤を守るための緊急対策支援 

地域の鍼灸施術所は、日々の介護予防や慢性疼痛対策、在宅療養支援、さらには災害時の避難所支援などを通じて地域包括ケアシステムを共に支え、区民の健康寿命延伸に寄与する大切なヘルスケア事業者です。 

しかし、昨今の光熱費高騰や消耗品等の物価上昇は、施術所の経営を深く圧迫しております。施術所の多くは小規模な事業者であり、運営コストの上昇分をそのまま施術料金に転嫁することは住民の皆様の負担増を招くため非常に困難です。 

地域医療を守り、区民の皆様が安心して施術を受け続けられる環境を確保するため、当会は、区内の鍼灸施術所を物価高騰対策支援の対象事業者として位置付け、独自の緊急支援金を創設いただくよう強く求めました。国や広域自治体の補助制度に加え、区独自の温かい支援制度の創設が必要です。  

〇 在宅介護の家族を支える負担軽減制度の創設 

超高齢社会を迎えた豊島区において、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、在宅で介護を受ける高齢者本人への支援だけでなく、日々その生活を支えている「家族介護者」への支援が不可欠です。 

介護を担う家族の皆様の心身の疲労は極めて深刻です。深夜におよぶ対応や日中の介助などにより、慢性的な腰痛や寝不足、精神的なストレスを抱えながら、限界に近い状態で介護を続けておられるケースが少なくありません。こうした介護を担う家族の心身の破綻を防ぐことは、家族の共倒れを防ぐための最優先課題です。 

そこで当会は、在宅の要介護高齢者を同居しながら常時介護している家族の皆様を対象に、健康増進と疲労回復、精神的な休息を促すための鍼灸マッサージ施術費用助成制度の創設を要望いたしました。 

すでにいくつかの先進的な自治体では、介護家族の健康維持を目的とした独自の助成事業が導入され、大きな成果を上げております。国家資格を持つプロによる施術を自身の心身をケアする時間として提供することは、介護継続の意欲を支え、家族が地域から孤立することを防ぐ見守りや相談の強化にもつながります。 

〇 次世代を育む子育て世帯への産前産後ケア支援 

当会は、高齢者や障害をお持ちの方への支援に加え、子育て世代を温かく包み込む社会づくりにも貢献したいと考えております。 

妊娠中や出産直後の女性は、ホルモンバランスの変化や育児に伴う寝不足、身体の痛みに直面し、心身ともに不安定になりやすい時期です。この産前産後の時期に、鍼灸やマッサージによる適切なケアを提供することは、母体の回復を促し、育児への不安を和らげるために極めて有効です。 

そこで、母子健康手帳の交付を受けられた方々を対象に、産前産後の健康維持と心身のケアを促進するための施術費用助成券の交付を要望いたしました。 

この制度は、既存の案内物の配布経路を利用して案内を同封することで、広報経費を最小限に抑えつつ確実に対象者へ情報を届ける仕組みとして提案しております。限られた予算規模で妊産婦の皆様を効果的に支援する施策として期待されます。 

おわりに 

豊島区鍼灸師会は、今回の要望活動を通じて、行政や各議会会派との連携をいっそう深め、区民の皆様が心身ともに健康で安心して暮らせる街づくりに全力を尽くしてまいります。 

私たちの施術技術や地域における見守りのネットワークが、福祉や医療、子育て、介護といったあらゆる場面で区民の皆様のお役に立てるよう、今後も専門職としての責任を果たしてまいります。会員の皆様におかれましては、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 

豊島区鍼灸師会 会長 戸澤和明